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京都市ならではの都市風景と言えば、京町家ではないでしょうか。最近では、一般住宅としてだけではなく旅館やシェアハウスといった宿泊施設、介護施設として活用する事例も見かけるようになりました。

 

京町家造りに惹かれていても「どのようなデザインがあるのか?」「法律的なハードルが高そう…」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、町家造りのリフォームは京都市からも明確な基準が示されており、基準を一つひとつクリアすれば決してハードルの高いものではありません。

 

長い歴史の中で洗練されてきた伝統的な意匠を、ぜひご自宅にも取り入れてみてください。

取り入れたい京町家造りの意匠

町家のリノベーション工事の際に役立つ町屋造りの意匠や建具についてお伝えします。

格子

格子は京町家の代表的な建具の一つです。米屋、茶屋、糸屋、炭屋など職業によって格子の意匠や形状が異なり、採光や風通し、内側からは外の様子が確認しやすく外側からの目隠しの役割も持ちあわせます。本来は外に据え付けるものですが、ちょっとしたパーテーションのような役割として室内空間に取り入れるのもおすすめです。

天井

町家では、部屋の用途などにより天井の様式が異なります。例えば、店舗やその奥につながるダイドコという居間では、2階の床板を子梁で支えて構造部をむき出しにした「大和天井」が多く、奥部の座敷などでは天井板に細い角材を付けたデザインの「竿縁(さおぶち)天井」が多く見られます。

 

細くそいだ竹や薄く裂いた葦(アシ)やヒノキを編んだ「網代(あじろ)天井」は、茶室や数寄屋造りの座敷などにも取り入れられ、職人技が光ります。和室部分の天井にワンポイントとして、また間仕切りや壁、夏の敷物に網代のデザインはいかがでしょうか。

すだれ

町家では、季節の変わり目に衣替えをするように、建具を取り替える習慣があります。ふすまを簀戸(すど)と呼ばれる夏用の障子にしたり、障子を御簾(みす)と呼ばれるすだれにしたり、風をよく通し、蒸し暑い京都の夏を過ごしやすくしてくれます。夏の窓にはすだれを掛けてみませんか?

竹垣

竹垣は、骨組みとなる竹を並べ、同じ幅に揃えた竹を骨組みに対して垂直に隙間なく並べて組む目隠しです。庭や塀などに用いられるのが一般的ですが、インテリアや収納の目隠しにするなど、工夫次第で内装に取り入れても良いでしょう。マンションでも、庭や広めのベランダがあれば、エクステリアとして用いることもできます。

ばったり床几(しょうぎ)

町家の軒先に設けられるばったり床几は、上げ下げができる折り畳み式の台で、当時は商品の陳列台にしたり作業台にしたりして用いられていました。また、椅子として使用し、コミュニケーションの場にもなっていたようです。ばったり床几の仕組みを活かし、室内に折り畳み式の椅子や机などを備えてみてはいかがでしょうか。

京町家をお手入れする際に把握しておきたい法令

京町家のリフォームについて一点把握しておかないといけないのが、現行の建築基準法に適合させる(遡及適用)必要があるということ。現在の建築基準法は昭和25年に制定されたものですが、京町家の工法はそれ以前に成立し京都市内の景観を彩ってきました。

 

つまり、京町家の伝統的な工法やデザインと、現行の建築基準法を上手にすり合わせることが必要になります。

京都市が作成した『京町家できること集』を確認すると、小規模なものと考えられる範囲内であれば、遡及適用の必要なく京町屋の修繕・リフォームは可能とされています。

小規模なものと考えられる修繕例

  • 屋根瓦の葺き替え

  • モルタル仕上げから垂木を表した軒裏に変更

  • 荒壁の塗り直し

  • 下地(小舞竹)の修繕※壁面積の半分以下

  • サッシ窓を虫籠(むしこ)窓に復元

  • 急こう配な階段を現行法に適合するようリフォーム

  • 添え柱、添え梁による補強

  • 防火設備の外側に格子を設置

など…。

遡及適用の必要がない小規模修繕について詳細はこちら

こうした修繕・リフォームは、使用する建材に防火性能のあるものを取り入れ、防火性能もあわせてアップさせることが望ましいとされています。最近は不燃木材や、防火性能に優れた木製素材のような見た目の建材も数多く登場し、選択肢はとても幅広いものとなっています。木格子の建材として取り入れることで、京町家の雰囲気ただよう外観の演出にもなるのではないでしょうか。

対して、小規模修繕に該当しない大規模な修繕・リフォームは、どのように行えばよいのでしょうか?
例えば、建物の壁をモルタル仕上げから土壁に変更する修繕は、全体の半分以下(表通りに面しているところだけ…など)であれば小規模な範囲ですが、下地から全面修繕する場合は遡及適用を受ける範囲内ということになります。

ただし…

  • 「構造耐力上の危険性が増大しないこと」

  • 「(防火)性能を向上させる改修が望まれる」

  • 「建築材料に石綿等を添加せず、石綿等をあらかじめ添加した建築材料を使用しないこと」

…といった緩和条件をクリアすれば、伝統的な方法に基づいた京町屋の修繕・リフォームが認められています。

その他にも、一般住宅として使われていた京町屋を旅館やシェアハウス、飲食店、介護施設へ用途変更することも可能です。ただし、その際にはキッチンや浴室、トイレといった屋内設備を適合させる必要があります。例えば、介護施設におけるトイレの設置基準について、京都市ではすべての利用者の利便性を考慮した配置、面積、設備の備え付けを別法で求めています。各階に何か所のトイレを設置するのか、火災報知機の設置義務などについてです。


その他の用途でも、京町家に関する法律とあわせて遵守が必要な法律もありますので、その点については配慮が必要です。さらに大規模なものとなると京町家の増築、新築といったことが考えられますが、一つひとつクリアすれば決して難しいものではありません。

京都市ホームページ「京都市情報館」 『京町家できること集』を基に解説
http://koci.co.jp/law/dekirukotoshuu.pdf

京都市らしい景観の京町家に対応

京都市で注文住宅や中古物件のリフォームを検討している方は、一度お問い合わせください。京町家特有の意匠や雰囲気は、工夫次第で現代建築にも取り入れることが可能です。

理想を実現できるよう最大限の提案を心がけ、住まいに対して愛着が湧く家づくりを目指します。京都でマイホームを建てたい、リフォーム業者を探しているといった方は、お気軽にお問い合わせください。

京都で建築工事のご相談は一級建築士事務所 伊勢建築事務所へ 

会社

伊勢建築事務所株式会社

住所

〒602-8393
京都市上京区御前通今出川上る

鳥居前町664-73

代表者

代表取締役 伊勢 晋祐

設立

2017年10月

TEL

075-200-3852

FAX

075-205-0853

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